これからの住まいの新基準「UA値」とは何かを徹底解説⑤
UA値の基準とは?省エネ法やZEH、HEAT20など
住宅の省エネ性能を高めるためには、断熱性能が重要です。断熱性能を表す指標の一つが、UA値という数値です。UA値とは、外部からの熱の伝わりやすさを表すもので、低いほど断熱性能が高いことを意味します。UA値が低い住宅は、快適性やエネルギー効率、建物性能などに多くのメリットがあります。しかし、UA値について正しく理解している人は少ないのではないでしょうか?この記事では、UA値の基準となる省エネ法やZEH、HEAT20などについて詳しく解説します。これらの基準を知ることで、より快適でエコな住まいを目指すためのヒントを得ることができます。ぜひ最後までお読みください。
UA値とは
住宅の断熱性能を表す数値のことをUA値といいます。UA値は「外皮平均熱貫通率」とも呼ばれ、住宅の外皮部分から外部へと逃げる熱量を平均化したものです。UA値が小さいほど断熱性能が高く、冷暖房の効率が良くなります。つまり、UA値が小さい住宅は、夏は涼しく、冬は暖かいということです。UA値は各部位の熱貫流率(U値)と面積、温度差係数などから計算されます。U値とは、1平方メートルあたりに流れる熱量のことで、U値が小さいほど断熱性能が高いということです。温度差係数とは、外気温や日射などの影響を考慮した係数で、地域や方位によって異なります。
省エネ法とは
省エネ法とは、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」の略称で、2016年に制定された法律です。省エネ法では、住宅の省エネ性能を評価する方法や基準が定められており、建築主や建築士に対して省エネ性能の説明義務が課せられています。省エネ法では、UA値や一次エネルギー消費量などを用いて住宅の省エネ性能を評価し、全国8つの地域区分ごとに基準値が設けられています。一次エネルギー消費量とは、電気やガスなどのエネルギー源から最終的に消費されるエネルギー量のことで、一次エネルギー消費量が小さいほど省エネ性能が高いということです。地域区分とは、気温や日射などの気象条件によって分けられた地域のことで、北海道や東北など寒冷地では断熱性能が高い住宅が求められます。
ZEHとは
ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、住宅の年間のエネルギー消費量と創エネ(太陽光発電など)によるエネルギー創出量がほぼ同じになることを目指す住宅です。ZEHでは、高い断熱性能や高効率な設備システムを導入することで省エネ化を図り、さらに自宅でエネルギーを作り出すことで自給自足的な住まいを実現します。ZEHでは、省エネ法よりも厳しいUA値や一次エネルギー消費量の基準が設けられており、政府は2030年までに新築戸建住宅の平均でZEHを実現することを目標としています。ZEHのメリットは、エネルギー費の削減やCO2排出量の削減、快適な室内環境などが挙げられます。
HEAT20とは
HEAT20とは、「2020年を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略称で、2009年に発足した団体です。HEAT20では、地球温暖化やエネルギー問題への対策として、住宅の高断熱化や技術開発、普及促進を目的としています。HEAT20では、UA値を基準にして3つのグレード(G1~G3)が設けられており、G3が最も高い水準です。HEAT20では、ZEHよりもさらに高いUA値の基準が設けられており、高い断熱性能を備えた住宅を目指します。HEAT20のメリットは、ZEHと同様にエネルギー費の削減やCO2排出量の削減、快適な室内環境などが挙げられます。また、HEAT20では、太陽光発電などの創エネ設備は必須ではなく、断熱性能に重点を置いています 。
まとめ
この記事では、住宅の断熱性能を示す指標であるUA値について、その定義や計算方法、メリットや改善方法などを詳しく解説しました。また、UA値の基準となる省エネ法やZEH、HEAT20などについても紹介しました。UA値を知ることで、快適で省エネな住まいを目指すためのヒントを得ることができます。以下が、この記事の主なポイントです。
- UA値とは、建物の外皮がどれだけ熱を逃がすかを示す数値で、単位面積当たりの単位時間当たりの温度差による熱損失量です。この数値が低いほど、建物の外皮が熱を逃がしにくく、断熱性能が高いことを意味します。
- UA値が低い住宅には、快適性や省エネ性、建物性能などの多くのメリットがあります。
- UA値を下げる方法としては、窓や壁などの断熱改善が効果的です。
- UA値には、省エネ法やZEH、HEAT20などの基準があります。これらの基準を達成することで、より高い断熱性能を備えた住宅にすることができます。
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